【教務ブログ】倫理と外国語

またお会いしましたね。

札幌校教務のSBIです。

今回は倫理について一筆振るおうと思います。

もちろん倫理一般ではなく、受験倫理の話です。

 

受験科目として倫理を考えている人は当然ご存知のことかと思いますが、

近代日本に入ってきた西洋思想の数々に対して、

適切な訳語をつけたのは、西周という人です。

もう「哲学」という言葉ですら彼の発明品です。

他にもたくさんの漢字があるので、気になる人は調べてみてください。

「え、これも!?」というくらい、

我々の生活に根付いた言葉を作り出したという点で、

彼の業績は非常に高いものだと評価できます。

 

 

本題は、漢字ではなくカタカナについてです。

フランスのサルトルを例にとりましょう。

彼のキーワードといえば、「アンガージュマン」ですよね。

ね?でも字面どおりにこれを「アンガージュマン」として覚えても、

何かいまいちピンとこないと思います。

「そういうものかな」と諦めて丸暗記している人も多いでしょう。

 

そういう時こそ用語集の出番です。調べてみましょう。

おそらく大体の用語集にはengagementと原語が書いてあると思います。

そうです。英語で言うエンゲージメントです。

このスペルをフランス語で発音すると、「アンガージュマン」になるのです。

英仏でスペルがたまたま一緒だったパターンのやつです。

エンゲージメントなら聞いたことのある人は多いでしょう。

こうなれば理解しやすいですよね。

 

また、ニーチェのキーワードである「ルサンチマン」も、スペルはressentimentです。

フランス語です。これが英語になるとresentmentです。「憤慨」ぐらいの意味です。

動詞ならresentです。単語帳とかで見たことがあるのではないでしょうか。

ちなみにルネサンスもフランス語です。

イタリアで起きたのにもかかわらず。

同様に、ヘーゲルのキーワードの「アウフヘーベン」はドイツ語そのものです(Aufheben)

なぜ同じドイツ人でニーチェとヘーゲルの使っている言語が

異なるのかはよくわかりません。

 

まとめますと、覚えにくいカタカナも、調べてみると結構理解しやすいよ。

だから用語集をこまめに見ようねという話です。ではまた。

 

 

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